まず、CA-50とCA-53Wを分けて考える。
第1作(1985年)のマーティの時計は、ヴィンテージ時計資料ではCASIO CA-50と特定されることが多く、CA-50は1984年前後に存在していたモデルです。後継のCA-53Wは外観が非常によく似ており、現在まで続くため、「マーティの時計=CA-53W」として紹介されることも少なくありません。
大事なのは型番当てだけではありません。なぜ高校生のマーティが電卓時計をしているだけで、あれほど1985年らしい「未来感」が出るのか。1980年にはC-80がテンキーと計算を腕へ載せ、1984年にはCD-40が電話番号を記憶、1985年にはDBC-60/600が電話帳と予定表を各50件扱っていました。
つまり電卓時計は、当時の観客にとって単なる“変わった時計”ではなく、身の回りの情報処理が電子化されていく空気を凝縮した道具でした。BTTFが描いたタイムマシン、デジタル表示、家庭用ビデオ、コンピューターの未来像と、CASIOのガジェット感は同じ時代の言語でできていたのです。
参考:WatchReel — CA-50 / 1985 film-era identification ↗ CASIO — BTTF 40th Collaboration ↗ CASIO — CA-53W ↗