CASIO DIGITAL ARCHIVE UNOFFICIAL
CULTURE FILE / 1989—1995 / STYLE

SILVER
DIGITAL.

銀色の小さなデジタルCASIOは、豪華さを競わない。それなのに服に合わせると、不思議なくらい存在感があります。

「安いから残った」だけでは説明できない。

A159WやA168に共通するのは、小さな角型液晶、多列のメタルバンド、薄いケースです。装飾は少なく、画面周囲の文字やラインがそのままデザインになっています。道具として合理的な形が、数十年後には“レトロなグラフィック”として読まれるようになりました。

1995年のA168は北米向けに開発され、ELバックライトを搭載。CASIO公式は、国境・世代・嗜好を越えてファッションアイテムとして取り入れられる存在になったと説明しています。2011年にはグッドデザイン・ロングライフデザイン賞も受賞しました。

ヴィンテージではなく、現行品である強さ昔の雰囲気を楽しむために古い個体を探さなくても、新品の同系統モデルを日用品として使える。これがCASIOのメタルデジタル独特の文化です。コレクターズアイテムと生活用品の距離が近い。

高級時計のように素材や仕上げの価値を前面に出すのではなく、A168は「時刻が見やすい」「軽い」「電池が長い」という機能を隠しません。その無頓着さが、逆に服装のジャンルを選ばない。スーツにもTシャツにも入り込める理由は、時計側がスタイルを押しつけすぎないからです。

いわゆる“チープカシオ”がファッションとして成立する背景には、価格だけでなく、完成した記号としての強さがあります。小さな銀色のCASIOは、ブランドを誇示するより「道具を選んでいる」感じを残してくれます。

参考:CASIO Watch Heritage 1990s ↗ CASIO Watch Heritage 1980s ↗

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